| 互恵・ウィンウインで、永続的発展を――第1回中日省エネ環境保全総合フォーラムにおける王毅大使の挨拶 |
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| 2006/05/29 |
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省エネと環境保護は昨今の時代の潮流であり、人類文明を継続させるために不可欠なものです。 人類社会は農業文明から工業文明へと発展し、さらに工業文明からポスト工業文明に向かっており、社会的生産力が急上昇し、自然の利用とそこからの奪取も急増しています。はやくも1962年、米国の海洋学者レイチェル・カールソンは、これについて警鐘を鳴らした著作「沈黙の春」の中で、戦後の人類の急速な発展に秘められた危機を指摘しています。環境保護組織の「ローマクラブ」は「成長の限界」というレポートの中で、世界の成長は食糧不足と環境破壊のため、継続が困難になるだろう、との見方を示しています。 科学者は故意に人を驚かすような事を言っているわけではありません。この30年来、世界の人口は30億増加し、経済規模は10倍拡大しました。それと同時に、地球全体の陸地と海洋の種の数は30%減り、生態系は三分の一縮小しました。世界自然保護基金(WWF)は、人類が現在の速度と方式で発展を続ければ、再生不能な主要資源は2075年までに使い尽くすだろうと予測しており、この厳粛な未来図に国際社会は深刻に考えはじめています。 今日、私たちは地球が脆弱で、資源には限りがあり、環境はいったん破壊されると、その回復にはきわめて大きな代価が必要であることに気づきはじめた。自然界とうまく向き合うことができるかどうかは、われわれの世代の人間の生存環境のみならず、後の世代の子孫がこの地球上で新たな歴史を刻み続けることができるかどうかに関わるものです。省エネを全力で推進し、新たな成長方式を見つけ出すことによって、はじめて人類は身の置き場を確保し、繁栄を持続し、永続的発展を現実のものとすることができるようになるのです。 省エネ・環境保護は中国の戦略的選択であると同時に、地球全体の持続的発展に寄与するものでもあります。 最大の発展途上国である中国は、急速な発展を成し遂げると同時に、資源エネと環境面でますます厳しい挑戦に直面しています。このため、中国の新たな指導グループは、自国の長期的発展と人類の未来に責任を負うことを出発点に、「科学的発展観」という重要な理念を提起しました。その核心はこれまでのような大雑把な経済成長方式を改め、人と自然の調和のとれた共存を促進し、経済社会の協調的発展を実現することです。 現在、中国各地では「科学的発展観」を根付かせることがブームとなっており、その理念のカギとして省エネ・環境保護が最重要視されています。これは中国が持続可能な発展を求めるために、どうしても選択しなければならない戦略であり、長期にわたって堅持すべき基本的国策でもあります。これは中国人民の利益にかかわるだけでなく、世界人民の利益にもかかわるものであり、中国の発展に役立つだけでなく、この地域と世界全体の発展にも役立つものです。 中国が省エネに励むことは、資源・エネルギー枯渇化の緩和に役立つものであり、われわれは今後5年間、経済の急成長を維持すると同時に、単位当たりの生産額に要するエネルギー消費を20%低下させたいと考えています。これは重要な第1歩であり、この一歩を踏み出すことは、中国経済の成長方式が大きく調整されることを意味するものであり、また、中国の省エネ事業が全面的に展開されることを意味するものです。われわれにはこの転換をなし遂げる能力があり、また、これを出発点に、引き続きさらなる目標と措置を打ち出したいと考えています。 中国の環境保護強化は、周辺部に恩恵をもたらし、地球全体に利益をもたらすはずです。中国は東アジアの総面積の60%を占め、14カ国と陸地で隣接し、8カ国と海を隔てて相対しています。われわれは2010年までに主要汚染物質の総排出量を10%減少させたいと考えています。これは中国の工業化の過程における重要な転換点でもあり、中国および当該地区の環境と大気の質の改善に役立つものとなるでしょう。われわれはまた森林被覆面積を20%にまで引き上げたいと考えています。これは中国に新たに17万平方㌔の林地を増やすことに相当し、中国および周辺地区の生態系の改善に、広範かつ良好な影響をもたらすことは疑いのないところであります。 中国が持続可能な発展を実現することは、世界経済にさらに大きな拡張の空間をもたらすことになります。中国は国際社会との融和を加速させており、すでに多くの国や地域の主要な経済・貿易パートナーとなっています。段階的発展方式からの転換をはかり、持続的成長を維持しようとする13億の人口を持つ大国は、他国により大きな発展のチャンスをもたらすことになるでしょう。 中国がめざす新たな発展の道は、多くの発展途上国にとって良き手本となるでしょう。現在、世界では新興の発展途上国が工業化を加速させており、アジア・アフリカ・ラテンアメリカでも多くの国々が次々と急発展を目指しています。省エネ・環境保護を全面的に推進し、発展の過程で省エネと環境の問題をうまく解決し、旧来の方式に勝る生産・消費方法を模索する中国のやり方は、多くの発展途上国に有益な模範的効果を提供することになるでしょう。 中日両国の省エネ・環境保護協力は、双方に互恵・ウィンウィンの道を切り開きました。 中日両国は一衣帯水の地にあり、環境面・経済面で相互依存しています。数十年来、日本はエネルギーと環境問題で深刻な経験を重ねると同時に、大きな成功を収め、豊富な経験と技術力を蓄積してきました。中国が「科学的発展観」を積極的に推進し、省エネ活動を大々的に展開しようとしている時にあたり、中日両国がこの分野での交流を強化することは、両国の互恵協力に新たな分野を切り開き、両国に21世紀の新たな共通の利益をもたらすことになるでしょう。 資源・エネルギー分野で、中日はいずれも消費大国であり、国際市場の状況の変化が両国経済の安定と安全に直接影響をもたらしています。双方はこの分野で意思疎通と協調を強めるべきであり、共同開発、輸入・備蓄などを含む分野を検討の視野に含めるべきです。同時に、資源・エネルギーの利用効率向上については、われわれも日本の経験に学び、日本の技術を導入したいと考えております。 環境分野で、中日両国政府と企業はここ数年、植樹造林、公害処理、排出規制などの分野でさまざまな協力を展開し、多数の日本のボランティアが中国で砂漠の緑化に取り組み、海洋環境保護の分野でも双方の協力が開始されました。われわれはさらに長期的な計画を共同で制定し、より効果的な措置を打ち出し、双方の協力を新たな段階にまで引き上げるべきです。 協力のチャンスについて言えば、中国の省エネ・環境保護事業は発展途上にあり、冶金・建築材料・化学工業・電力など重点業界の省エネには大量の新技術・新設備が必要です。中国の中央政府と地方政府は今後大気・土壌・水質汚染防止や生態環境保護の施設の建設を加速・推進するために資金を投入する考えです。中国の膨大な省エネ・環境保護市場と日本の成熟した独自の技術を結びつけることが、双方にとって互恵・ウィンウィンの選択であることは疑いのないところです。 最後に私が指摘したいのは、中日両国が政治関係面で深刻な情勢に直面している折りに、双方が省エネ・環境保護での協力を強化することは、相互依存という共通認識を向上させ、両国が共通の利益での結びつきを強化し、中日関係の改善と発展に新たな推進力をもたらすに違いないということです。
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