| 中華人民共和国の国連改革問題に関するポジションペーパー |
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2005/06/07
新世紀に入って、国際情勢は大きく、複雑な変化をとげた。平和と発展(開発)はなお時代のテーマだが、不確定、不安定要因が増大している。人類社会の永続的平和と普遍的発展の実現は、得難いチャンスを迎え、また厳しい挑戦を受けている。
グローバル化が深まり、各国の依存度がたえず高まっている状況下で、全世界的な脅威と挑戦は多様化の特色をみせ、相互の関連度を強めている。これらの脅威はすべて大いに重視すべきで、差を付けてはならない。各国は共に努力し、意思疎通によって理解を深め、対話によって信頼を強め、交流によって協力を促すようにし、集団行動によって脅威と挑戦に対応、特にそれが生まれる根源を取り除くよう努力すべきである。
国際問題における国連の役割は不可欠なものである。最も普遍性、代表性と権威をもつ政府間国際機構として、国連は多国主義を実践する最良の場所で、さまざまの脅威と挑戦に集団で対応する有効なプラットホームであり、引き続き平和のための使者、発展のための先駆けとなるべきだ。改革によって国連の機能を強化することは、全人類の共通の利益に合致する。
中国は高級諮問委員会の「脅威、挑戦と変革」報告書、国連ミレニアムプロジェクト報告書及び事務局長総合報告書を歓迎する。これらの報告書は国連の活性化と改革について多くの有益で、実行可能なアプローチと提案を示している。中国は各国と共に、国連改革で積極的成果を収め、今年9月に予定された首脳会議を成功させることを願っている。
中国は、国連改革では以下の原則を順守すべきだと考える。
―多国主義を推進し、国連の権威と効率及び新たな脅威と挑戦への対応能力を高めるのに有益であること
―「国連憲章」の目的と原則、特に主権の平等、内政不干渉、紛争の平和解決、国際協力の強化を守ること。
―全方位の、多分野に及ぶものとし、安全保障と発展の両面で成功すること。特に国連活動の「安全重視、開発軽視」の傾向を改め、開発分野の投入を増やし、ミレニアム開発目標(MDGs)の実行を促進する。
―すべての加盟国、とりわけ広範な発展途上国の要求と関心を最大限に満たすこと。民主主義を発揚し、十分に協議して、最も幅広い意見の一致(コンセンサス)を求めるよう努力すること。
―難易を分け、漸進主義をとって、国連加盟国の団結の維持と増進に役立てること。意見の一致がみられた提案は、早急に決定を行い、実施に移してよいが、まだ意見の食い違いがある大きな問題には慎重な態度をとり、協議を続けて、幅広い意見の一致をみるようにし、人為的に期限を設けたり強引に決定したりしない。
1、発展問題
発展(開発)は各国人民が共に求めているもので、集団的安全保障制度と人類文明の進歩の基礎である。貧困、疾病、環境悪化は同じように国際社会にとっての重大な挑戦となる。発展途上国の必要を重視し、全世界の調和と均衡のとれた、普遍的発展を重視すべきである。
(1)貧困
―貧困問題を解決するための当面の急務は、MDGsの実行を促進することである。これを国連改革と9月の首脳会議の重点とすべきである。
―グローバル化の均衡のとれた発展を導き、国際経済における発展途上国の平等な参加権と決定権を強めるべきだ。
―中国は発展途上国が自国の国情に合わせて、早急にMDGs実現の全面的国家戦略を策定し、スタートさせることを支持する。国際社会はこのために必要な援助を与えるべきだ。
―国際的開発援助では、発展途上国の国情を十分に考慮し、被援助国の自主権と参加権を拡大して、援助の効果を高めるようにすべきだ。
―中国は政府開発援助(ODA)を国民総生産(GDP)の0・7%にするための時間表に関する事務総長提案を支持するとともに、具体的実施プランを策定して、相応の監視と評価の仕組みをつくるべきだと考える。
―ODAの主導的役割を生かすと同時に、国際社会がODAの有益な補完物として、革新的資金調達方式を探ることを支持する。
―国際金融体制の改革と整備を推進し、平等・互恵の原則に従って、国際資本の合理的移動を監視、誘導し、金融危機を防止できるようにする。
―開放的で公平な多国間貿易体制を確立、整備し、発展途上加盟国と新規加盟国の利益を十分に考慮し、早急にドーハ宣言の授権に従って、農産物補助金を廃止し、関税と関税以外の貿易障壁を実質的に削減すべきだ。
―中国は2004年7月の枠組み取り決めとドーハ閣僚宣言の授権に従い、第6回世界貿易機関(WTO)香港閣僚会議で交渉方式について合意に達することにより、WTOのドーハラウンド交渉を早期に決着させ、これを本当に「発展のためのラウンド」にすることを支持する。
―より多くの資金が発展に充てられるよう、先進諸国は発展途上国の債務を確実に減免すべきだ。
―公共、私営部門のパートナーシップを奨励・強化し、さまざまな資源を動員して、経済成長を促進し、貧困を退治すべきだ。
―中国は南南協力を強め、経験の共有、協力の拡大、相互利益・援助によって、内在的発展能力を強めることを支持する。
(2)疾病
―各国は引き続き「全世界の公衆衛生能力整備の強化」に関する国連総会第58/3、59/27号両決議の実施を急ぎ、公衆衛生事業をそれぞれの発展計画と活動に盛り込み、科学的な、規範化された公衆衛生システムをつくり、伝染病の監視、予防、抑制、治療、情報通報ネットワークを整えるべきだ。先進諸国は発展途上国を援助すべきだ。
―国連傘下の関係各機関は公衆衛生をその活動、プランと計画に盛り込むことを考慮し、各国の公衆衛生能力整備を一層よく支持し、国際協力を促進すべきだ。
―世界保健機関(WHO)とその他関連国際機関の疾病予防・治療における指導・調整機能を強化すべきだ。中国はWHOのグローバル伝染病警報・対応ネットワークにより多くの資源を提供することを支持する。
―中国は「国際保健規約」(IHR)の改正で早急に合意に達することを支持する。
―エイズの予防・治療を一層強化すべきだ。当面の急務は既存の協力枠組み内で、「エイズ特別国連総会宣言」の関係公約の実行を速めることである。先進諸国は公約を果たし、発展途上国のエイズ予防・治療のためにより多くの資金と技術支援を行うべきだ。
―伝染病が国際の平和と安全の脅威となるかどうか、現在広く認められた基準はない。安保理は国際の平和と安全にとっての重大な脅威の問題を主に処理する機関であって、他の機関の活動をダブラせるべきではない。
(3)環境
―中国は科学的発展観を打ち立て、持続可能な発展と環境保護を国家発展戦略に盛り込み、経済発展、社会発展と環境保護の3者間の関係を統一的に考え、調整することを主張している。
―各国は「共通だが差異のある責任」の原則に従って、持続可能な発展の国際協力を進めるべきだ。重点は発展途上国による環境の挑戦への有効な対応を助けること、特に水資源不足、都市大気汚染、生態系悪化、砂漠化など差し迫った問題の解決を助けることである。先進諸国は公約を実行し、発展途上国に関連の技術移転と資金支援を提供し、発展途上国の能力づくりを助けるべきだ。
―持続可能な発展は、地球の気候変動に対応する最も有効な道である。国際社会はエネルギーや気候変動に対する政策その他関連政策の策定にあたって、各国の現実の必要性と抱えている問題点をしっかり考慮すべきだ。
―「国連の気候変動枠組み条約」は気候の変動に対応する国際協力の有効な枠組みを提供している。京都議定書に定められた関係締約国の2008~12年の諸義務は、温室効果ガスの排出削減、発展途上国に対する技術移転と資金支援、能力整備などの援助提供を含め、確実に履行されるべきである。
―先進国は2012年以降も条約の「共通だが差異のある責任」の原則に基づいて、率先して排出削減措置を講じるべきだ。同時に、国際社会は技術協力を促し、先進的エネルギー技術の発展途上国での適用を推進し、持続可能な発展をはかり、国際社会の気候変動への対応能力を高めるために、より実際的弾力的な仕組みを検討してもよい。
―中国は既存の環境機関間の協調と協力を強め、資源を再編し、効率を高め、政策の協調をはかることを支持する。これらの目標の実現をめざす関連提案を検討する用意がある。
(4)自然災害
―中国はあらゆる自然災害の全世界的早期警戒システムを早急に設置し、緊急人道支援と災害リスク減少面での国家、地域、国際各レベルの協調と協力を強めることを支持する。
2、安全保障問題
われわれは集団的行動をとって安全保障に対する各種の脅威と挑戦に対応するという事務総長の主張に賛成する。これは中国が提唱している「相互信頼、相互利益、平等、協力」の新しい安全保障観樹立の目標と一致している。効力、効率のよい、公平な集団的安全保障の仕組みをつくるためのカギは、多国主義を堅持し、国際関係の民主化と法治化を推進し、「国連憲章」の目的と原則を堅持し、国連の権威と能力を強め、集団安全保障システムの中核としての安保理の地位を守ることである。
(1)戦争と紛争
―国家間の紛争は「国連憲章」と国際法に従い、平等な話し合いと平和的交渉を通じて解決されるべきだ。
―国内紛争は状況が複雑で、それによって国際の平和と安全が害されるかどうかは、具体的問題を具体的に分析すべきだ。国内紛争の解決は主に当事国人民の努力によるべきである。外部からの支援は「国連憲章」を基礎にし、国際法に準拠して、慎重で責任ある態度をとり、政治、外交手段を総合的に使用し、紛争当事者の話し合いと交渉による問題の解決を奨励し、援助すべきだ。
(2)対テロ
―中国はあらゆる形のテロリズムの取り締まりを主張し、支持する。国際的な対テロの努力では、国連の主導・調整機能を十分に発揮させ、対応策と抜本策を合わせるよう留意し、政治化を回避すべきであり、二重基準をとってはならない。
―中国は全世界的総合的対テロ戦略の早急な策定を支持し、事務総長が提起した5本の柱をこのような戦略の基礎にすることに賛同する。
―中国は既存の対テロ条約体系と法的枠組みを一層充実させることを支持する。各国は既存の対テロ国際条約の早急な署名、批准を考慮するとともに、協力的建設的な態度で、「国際テロリズムに関する包括的条約」草案で早急に意見の一致をみるべきである。
―中国はテロリズムの定義問題でコンセンサスが形成されるよう希望する。関係の定義では既存の国際条約と安保理決議の関連規定を適当に参照してよい。
―加盟国と民間組織は対テロ協力の参加過程で、「国連憲章」と関連の国際法規範を順守しなければならない。
―対テロの過程における人権侵害行為については、国連人権委員会の既存の仕組み、条約機構及び国際人道主義法の監視制度を十分に活用して解決すべきで、現在新しい制度を設ける必要はない。
―中国は安保理テロ対策委員会の機能を強化し、執行局の権限を拡大すること、特に発展途上国の対テロ能力整備の強化を援助するとともに、そのために能力整備信託基金を設置することを支持する。
―中国は、国連のテロ対策担当調整官1名を任命する必要があると考える。
(3)軍縮と大量破壊兵器拡散防止
―中国は大量破壊兵器の全面的禁止と完全廃棄を一貫して主張し、そうした兵器および運搬手段のいかなる形の拡散にも反対している。中国は国際的軍縮プロセスを一貫して積極的に推進している。
―核保有国は核兵器を互いに先制使用しない条約を締結すべきだ。核保有国はまた、非核保有国あるいは非核地帯に対して核兵器の使用あるいはその威嚇を行わないことを無条件で約束し、これについて拘束力のある国際的法律文書をまとめるべきである。
―国際社会は確実で有効な措置をとり、「核不拡散条約」の普遍性と権威性を守り、強めなければならない。条約締約国は建設的姿勢で、条約の3大目標にバランスよく対処しなければならない。
―中国は「包括的核実験禁止条約」を支持し、条約の早期発効を希望する。中国は核実験の一時中止を続け、条約の早期批准を目指す。
―中国はジュネーブ軍縮会議で合意した均衡のとれた活動計画を踏まえ、「核兵器その他核爆発装置用の核分裂性物資の生産を禁止する条約」(カットオフ条約)の交渉を早期に始めることを支持する。
―中国は国際原子力機関(IAEA)が「憲章」の目的に従い、核拡散防止および各国の原子力平和利用の面で重要な役割を果たすことを支持する。当面の情勢下では、国際協力と協議を通じ、核不拡散の仕組みをどのようにして一層強化するかについて検討する必要がある。それには適切な措置をとって、IAEAの保障措置(核査察)の有効性を一層強化するなどの重要問題が含まれる。IAEAの追加議定書の重要性を強調し、その普遍性が強まることを希望する。
―中国は「生物・毒素兵器条約」(BTWC)の有効性を強めることを目的とした多国間の努力を支持し、これに積極的に参加し、「条約」の査察議定書について即時交渉を再開することに積極的姿勢をとっている。中国は条約締約国が新たな生物安全議定書の制定について交渉することを支持し、危険生物薬を分類し、またそうした薬品の輸出について拘束力のある国際基準を定めることを支持する。
―中国はBTWCと「化学兵器禁止条約」(CWC)の普遍性の強化を支持する。
―BTWCの協議、協力、調査制度は生物兵器の使用といわれるケースを処理する主要な手段であり、締約国は順守しなければならない。事務総長制度には特定の歴史的背景と活用の範囲がある。多数の国が同意すれば、多国間交渉を通じて全面的見直しの審議をすることができる。
―すべての締約国がBTWCの関連審議会議の要請に従って、信頼醸成措置の関係資料を提出することを奨励する。
―化学兵器保有国は既存のすべての化学兵器の貯蔵、老朽化学兵器、他国領土に遺棄した化学兵器の廃棄を加速しなければならない。化学兵器禁止機関(OPCW)の査察システムはほぼ正常に運営されているが、締約国はさらに説明、協議、協力などの制度を通じて、規定違反に対する懸念問題を処理、解決することができる。重大な規約違反が起きた場合には、締約国会議または執行理事会が国連総会または安保理に対し、この問題に留意するよう要請することができる。
―中国は大量破壊兵器およびその運搬手段の拡散に反対し、既存の国際的拡散防止制度の強化を支持し、国際法の枠組みの中で政治と外交手段で拡散問題を解決することを主張している。いかなる拡散防止措置も国際的、地域的平和、安全、安定の増進に役立つものでなければならない。多くの国と同様、われわれは「拡散安全保障イニシアティブ」による国際法の範囲を超えた阻止措置に賛成しない。
―宇宙空間の兵器化と宇宙軍備競争の防止は世界の戦略的安定を守り、軍備管理と軍縮プロセスを促すのに役立つ。国際社会はこれを大いに重視し、積極的かつ有効な措置をとって、危険を未然に防がなければならない。ジュネーブ軍縮会議は早期に特設委員会を設置して交渉を進め、国際的法律文書を締結するか、これを目標として作業を進め、既存の宇宙に関する法律制度の抜け穴をふさぎ、宇宙空間の兵器化と軍備競争を確実に防止しなければならない。
―「特定通常兵器条約」は戦争によって引き起こされる人道的問題の解決において重要な役割を果たしている。中国は条約に関連する諸活動に一貫して積極的に参加している。中国は「戦争遺留爆発物議定書」の早期発効と確実な履行を希望する。中国は「特定通常兵器条約」の政府専門家グループの活動を引き続き支持し、関係の活動が進展するよう希望する。
―中国は国際社会による小型兵器違法取引取り締まりの努力を支持し、交渉によって「違法小型兵器の識別と追跡調査」に関する国際文書をまとめることを支持する。小型兵器の違法取引は軍縮、安全保障、開発と人道主義など多くの要素にかかわっており、全面的かつ適切な解決方法を探らなければならない。各国は最も重要な責任を負い、相互協調・協力を強化すべきで、国連は引き続き主導的役割を果たさなければならない。
(4)組織犯罪
―中国は国際、地域協力を強化し、国際組織による犯罪を取り締まることを支持する。先進国は資源提供面でより多くの義務を負うべきである。
―中国は国際的組織犯罪と腐敗などを取り締まる国際条約の有効な実施を希望している。
―国連麻薬犯罪事務局は各国の条約履行を支援するよう努めなければならない。
―国連の既存国際条約が有効に実施されることを前提に、中国は国連の枠組みの中で、新たなしかるべき国際条約について交渉し、これを制定することに異議はない。中国はマネーロンダリング(資金洗浄)問題に関する全面的国際条約を交渉によって制定することにオープンな姿勢をとっている。
(5)予防と仲裁
―中国は国連が「予防の文化」を確立し、紛争の予防と仲裁への投入を拡大し、特に早期警戒や現地調査団などの仕組みや措置を整え、講じることを支持する。
―加盟国は安保理のこの面での主導的役割を十分果たさせ、また事務総長が授権に基づいて仲裁、調停の役割を果たすのを支持すべきである。
(6)制裁
―中国は、制裁の行使は慎重にし、あらゆる平和的解決の手段を尽くすことを前提にしなければならないと一貫して主張している。
―中国は国連における制裁の仕組みを改善し、厳格な基準を設け、目的性を強め、明確な期限を設けるとともに、制裁によって引き起こされる人道的危機と第三国に対する影響をできるだけ減らすようにすることを支持する。各制裁委員会は制裁による人道的影響を定期的に評価すべきだ。
―国際社会は発展途上国が制裁の実行能力を強めるのを援助すべきだ。
(7)武力行使
―国際紛争の平和解決と国際関係における武力の不行使は「国連憲章」の重要な原則であり、国際法の基本的準則である。中国は平和的方法で国際紛争を解決することを一貫して主張し、国際関係における武力の行使あるいは武力による威嚇に反対している。
―われわれは「国連憲章」第51条を改正せず、新たな解釈も行わないことに賛成する。「国連憲章」は武力行使について明確に規定しており、武力攻撃を受け、自衛する場合を除いて、武力を行使するときは安保理の権限を受けなければならない。「緊急の脅威」を構成するか否かについては、安保理が「国連憲章」第7章に基づきかつ具体的状況を見て判断し、慎重に処理する。
―危機を招く原因とさまざまな危機の状況は必ずしも同じではない。武力行使については「どんな場合にも適用できる」ルール、基準をつくることは非現実的で、大きな論議を起こしやすい。武力を行使するかどうかは安保理がそれぞれのケースに応じて処理すべきである。
―安保理は国連で唯一、武力行使を決定できる機関である。地域取り決めまたは地域機構による強制的行動には、事前に安保理から権限を受けなければならない。
(8)平和維持活動
―国連の平和維持活動では「国連憲章」及び実践でその有効性が証明された基本原則に従うべきである。これには中立性、当事者の同意および自衛のため以外に武力を行使しないなどが含まれる。
―中国は国連の平和維持活動の能力を強めることを支持し、事務総長の戦略的備蓄と平和維持の文民警察待命措置の提案を歓迎する。事務総長が国連総会平和維持特別委員会の要請に従い、提案の多くの面をさらに細分化し、明確にすることを希望する。新しい仕組みをつくるときは慎重かつ周到に研究し、実行可能性と有効性を確保し、資源を再編し、能力相応に進めるほか、既存の仕組みの潜在力を十分生かす必要がある。
―国連平和維持活動の資源には限りがあり、合理的かつ有効に使わなければならない。国連は具体的状況に基づき、アフリカの地域機構による平和維持活動に必要な支援を行ってもよい。
―中国は国連が地域機構との協力を強めて、協調を強化し、それぞれの優位性を生かすことを支持する。地域機構による平和維持活動は「国連憲章」の目的と原則に合致していなければならない。
(9)平和形成
―中国は平和形成委員会の設置を支持する。委員会の職責は主に紛争の移行期から紛争後の復興までの計画の策定に協力し、国際社会の努力を調整することである。中国は平和形成委員会には警戒と監視の機能を持たせず、しかも主にコンサルタントの役割を発揮させるという事務総長の見解に賛同する。
―委員会が主に安保理に対して責任を負うようにすることは、その効率と効力の保証に役立つ。中国は経済社会理事会が委員会の活動に十分参加することも支持する。
―事務局が平和形成支援事務所を設置するときは、少数精鋭と有効の原則に従わなければならない。
3、法治、人権と民主
(1)「保護責任」
―各国は自国市民の保護という第一に重要な責任を負っている。一国の内乱は複雑な原因によるのがつねであり、ある国の政府に国民を保護する能力と意思があるかどうかの判断は慎重でなければならず、何かというとすぐに介入してはならない。
―人道主義の大規模な危機が生じた際、危機を緩和し、食い止めるのは国際社会の正当な関心であるが、そのための行動では「憲章」の関係規定を厳格に順守し、当事国とその所属地域機構の意見を尊重し、国連の枠組み下で安保理が具体的状況に応じて判断、処理し、可能な限り平和的方法を用いるようにしなければならない。強制的行動に及ぶ時は、それぞれのケースに合わせて、一層慎重を期すべきである。
(2)国際刑事裁判所
―中国は最も重大な国際的犯罪行為を処罰するため、独立した、公正かつ有効で、普遍性をもつ国際刑事裁判所を設立することを支持する。
―「国際刑事裁判所ローマ規程」には裁判所の公正で有効な機能行使に影響する欠点があることから、中国は未加入だが、裁判所が実際の活動によって非締約国の信頼をかちとり、国際社会に広く受け入れられるようになることを希望している。
―ある事態を国際刑事裁判所に提出するかどうか、安保理は慎重に事を運ぶべきだ。
(3)国際司法裁判所
―中国は国際司法裁判所の役割を強め、活動方法を改善し、能率を高めることを支持する。紛争の平和的解決方法を自由に選択する各国の権利は尊重されるべきだ。
(4)人権
―中国は国連人権機関の改革に賛同し、これを支持する。改革のポイントは人権問題が政治化されている現状を改め、二重基準をとらず、対決を減らすか避けるようにし、協力を促進して、より多くの資源を人権擁護の技術的協力に充て、各国の人権擁護能力を強化することである。
―経済的、社会的、文化的権利と市民的、政治的権利という2種類の人権を同等に重視し、1種類の人権だけを偏重する現象を是正すべきだ。
―国連人権委員会は国際的人権分野で重要な役割を果たしており、国連人権委の役割と貢献を軽々に否定してはならない。
―国連人権機関の構成では、公平な地域配分の原則に従って、幅広い代表性をもつようにしなければならない。小規模な「人権理事会」が人権委員会に取って代わっても、おそらく現在の人権分野の深刻な「信用の赤字」状態は解決されないだろう。国連人権機関の活動をどう改善するか、各国が真剣に検討する必要がある。
―中国は国連「機関間現地駐在チーム」が各国の人権改善を支援するというグローバル・プログラムに同意する。「現地駐在チーム」は加盟国の主権と法律を尊重するとともに、人権分野の実際の需要を十分に考慮し、加盟国自身の人権擁護能力の強化を活動目標とすべきである。「現地駐在チーム」の活動状況は毎年報告にまとめて、加盟国の審議に供されるべきだ。
―中国は人権高等弁務官がその授権に基づいて、国連機構で積極的役割を果たすことを支持する。安保理と提案中の平和建設委員会は必要に応じて人権高等弁務官を関係の審議に参加させてもよい。
―人権高等弁務官は、職務遂行能力を強めるため、相応の資源を獲得すべきで、同時に経費の利用効率を高めるべきだ。高等弁務官事務所の構成にも、各国のより幅広い支持が得られるよう、公平な地域配分の原則をよりよく体現させるべきだ。
―中国は、各条約機関の作業の重複を避け、締約国の負担を確実に軽減するため、現行の人権条約の報告・審議制度を改革することを支持する。条約機関の作業準則を定めて、条約機関と締約国の交流、対話を強めるべきだ。
(5)提案中の「民主主義基金」
―各国が提案中の民主主義基金についてさらに討議できるよう、事務総長はまず基金の供給源、使用ルールと評価方法を説明すべきである。
―中国は各国を「民主主義国」と「非民主主義国」に分けることに賛成しない。
4、国連の強化
(1)国連総会
―総会は国連の民主的政策決定をする重要な機関である。中国は改革によって、総会の作業能率を高め、政策決定能力を強めることを支持する。
―中国は総会の活性化について一括プランを採択することに賛成であり、各国の具体的提案にオープンな姿勢をとっている。
―中国は総会の議題を適当に減らし、日程を改善して、毎年各国、特に発展途上国の関心事項に合わせて、重要で実質的な問題を討議することを支持する。必要でない議題は年々、バランスをとりながら削除してもよい。
―中国は民間社会の国際問題における建設的役割を重視しており、総会と民間社会の相互促進の仕組みづくりについて各国と引き続き突っ込んで討議する用意がある。民間社会が国連活動に参加することで、政府間国際組織としての国連の性格が影響を受けてはならず、国連の活動秩序や能率に支障が出てはならない。
(2)経済社会理事会(ECOSOC)
―中国は国連の経済社会分野の改革を歓迎、支持する。改革では国連総会の関係決議で決まった方向、原則、目標と重点に従うべきで、政府主導で行われるべきだと考える。
―経済・社会分野の活動では、MDGsその他国連の主要会議の成果を実行、実施することを目標に、資金援助、技術移転、能力整備、市場開放、貧困退治などを重点にして、国際経済協力・開発政策の連続性と協調性を保ち、国連の経済・開発にかかわる諸議題を全面的総合的に、バランスよく実行に移すようにすべきである。
―中国はECOSOCがハイレベルの開発フォーラムとして、国際的開発協力のすう勢を検討し、調整機能を果たすことに賛同する。
―中国はECOSOCが規範の制定と戦略決定面で指導的役割を果たし、全世界的な開発の議題を定めることを支持する。
―中国はECOSOCが年度閣僚級会議を開いて、取り決められた開発目標の実現、特にMDGsの進展状況及び発展途上国が関心をよせる他の開発問題について評価を行うことを支持する。
―中国はECOSOCとブレトンウッズ体制、世界貿易機関(WTO)及び国連の関連開発機関との調整を進めることを支持する。
―中国はECOSOCがききん、流行病及び重大な自然災害の評価並びにこれらについての集団的対応面で重要な役割を果たすことを支持する。
(3)安保理
―安保理改革は多方面にわたり、拡大問題もあれば、作業能率の向上、活動方法の改善といった重要な問題もある。安保理改革では以下の原則に従うべきだ。
―安保理の権威と効率を高め、全世界的脅威と挑戦への対応能力を強める。
―発展途上国の代表性を優先的に高める。発展途上国は国連加盟国の3分の2を占めているが、安保理での代表性は著しく不足している。こうした状況は是正されなければならない。
―より多くの国、特に中小国に交替で安保理に加わって、政策決定に参画する機会をもたせる。
―地域均衡の原則を堅持し、異なる文化と文明の代表性も合わせて考える。
―各地域にかかわる改革案はまず関係地域グル |